写真で綴る登山と旅のあれこれ

南アルプス白峰三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)②

1日目:広河原~白根御池小屋

2018/8/17(金)

仙流荘(8:05)--バス--北沢峠(9:00/9:45)--バス--広河原(10:10/10:20)→広河原山荘(10:30)→白根御池小屋分岐(10:50)→白根御池小屋(13:20)

7:00
長野県伊那市の仙流荘前

仙流荘

ここが今回の山旅の出発地点
南アルプス登山の西側の玄関口だ

昨夜は高速道で雷雨に遭ったものの
朝もやを抜けると晴空だった

気温は16℃!?

無防備な格好で車中泊したので
寝冷えして少し頭が痛い。。

・・・

一般車はこの先で通行止め
北沢峠行のバスに乗り換えます

運賃1130円+荷物代210円(18lt以上は必要)
自販機で往復券を購入
(これが小さく失くしやすいので要注意)

待合室前の軒先には
番号の降られた木製ベンチ

先客が4、5人

”今日は臨時便はありません”

約1時間後のバスを待ちながら
ノンビリとした時間が流れていた

仙流荘_バス待合室

お盆休みも昨日までの人が多く
今日は平日ということらしい

とはいえ
第一駐車場の入口には”満車”の看板
多数の車が乗主の還りを待っていた

前日までに大勢の人が山に入っているのか
始発のバスは混んでいたのかな

ということで
いつもの河原の第二駐車場
いつもの定位置へ

仙流荘_駐車場

”マリッジ・ブルー”
ならぬ
”アルプス・ブルー”

この先なにが起きるか分からない
登山の前の緊張感

山を何年もやっていても
これだけは消えないどころか
逆に強くなっている気さえする

それもザックを背負って歩き始めてしまえば
もうワクワクしかないんだけどね

・・・

そんな出発直前に携帯が鳴った

山の先輩のK藤さんだった

今日は秩父の山に登られるということ

お互いにエールを送り合うと
出発前のナーバスな気持ちも和らいだ

仙流荘~北沢峠~広河原

8:05
北沢峠行のバスに乗り込む

駆け込みの乗客も集まると
ほぼ満席になった

後方の席に着いて
体の前にデカザックを抱えると
身動きできず前も見えなかった

”おはようございまーす!”

10人くらいの若者の団体で
車内は賑やかだった

”今日は元気なお客さんですね・笑”

マイクで話すベテラン・ドライバーの
オッチャンの顔と語り口調には覚えがあった

思えば今まで全ての回で
このオッチャンの運転だった気もする

ジェットコースターのような断崖の林道も
この人の運転ならちょっと安心。。

”今日はシカの窓は見えません”

甲斐駒と鋸岳を繋ぐ岩の稜線は
まだ朝もやの中だった

・・・

9:00
北沢峠

北沢峠_バス乗り場

ここで広河原行のバスに乗り継ぎ

これから登る人と帰る人が交差して
賑やかだったのも束の間

バスを下りた乗客の大半は
すぐに仙丈や甲斐駒へと向かっていった

待合室に残ったのは4人だけだった

北沢峠_広河原行バス

次のバスを待っていると・・・

空気がヒンヤリ・・

いや

寒い!

気温はたぶん10℃前後
うっすら息が白くなるほど。。

前日まで35℃を超える
”危険な暑さ”に晒されていた体には
想定外の事態だった

すぐに着られるものがなく
思わずレインウェアを上に着た

それでも寒い、、

待合室の外の日だまりに出て
高度順応ならぬ温度順応だ、、

北沢峠の標高は2030mとはいえ

これで明日は3000mの稜線で
本当にテント泊なんてできるだろうか。。

北沢峠

9:45
広河原行のバスが出発

北沢峠から広河原までは約10km

始めは歩けるかも?
とも思っていたけど

広河原の標高は1520m

約500mの高低差!

特に復路は登りなので
バスに乗れなかったら地獄です。。

バスの車窓からは
甲斐駒や野呂川の峡谷の絶景

林道には
ヒヨドリソウに集まるアサギマダラ
フジアザミの群生地も

"このバスのナンバーは#2967・・・"

甲斐駒の標高と同じらしい
他の山バスもあるんかな

後ろの席に座った男性2人は
トレランで早朝に仙丈に登ったらしく

北沢峠に駆け下ってきて
そのままバスに駆け乗っていた

仕事の先輩と後輩なのか
話題は山から仕事の愚痴になり

”俺は仕事より山を走ることに人生を賭けたい”

朝から山頂で乾杯してきたのか
山の汗の臭いが酸えたビールフレーバーだった、、

気づかないフリをしていても
これにはたまらず酔いそうに、、ウップ。。

北沢峠_広河原_バス

10:00
広河原に脱出いや到着

広河原_バスターミナル

関東からのアクセスの方が
充実しているのは明らかだった

甲府方面からのバスやタクシーが
続々と発着していた

上高地のような観光地を想像していたけど
目立つ建物はこのバスターミナルだけ

広河原_バスターミナル_トイレ

トイレは簡易水洗で洗面所もなく
携帯も圏外

意外なほどこじんまりとした場所だった

広河原_散策マップ

建物の2階がインフォメーションセンター
広い休憩所と簡易売店があるので一息

広河原_インフォメーション

のんびりし過ぎていたら
バスの乗客は誰もいなくなってしまった

そろそろ行きますか!

広河原_野呂川_吊り橋

吊り橋で野呂川を渡ると
目の前に北岳の山頂が姿を現した!

すぐそこに見えるんだけどなー
あそこまで2日かけて登るのだ

広河原_北岳の眺め

北岳(3193m)
言わずと知れた国内二位の高峰

富士登山の次に
ここを目指す人が多いのも当然

しかし中には富士登山の延長で

気合いだけで夜中に弾丸登山する
鉄砲玉な登山者もいるそうな

山には高さだけではなく広さと深さ
そして個性があることを知らずに。。

富士山が眺める山なら
北岳は本気で登る山

遭難者の情報を求めるポスターの多さは
異様で残念な光景だった

さあ気を引き締めて!

広河原~白根御池小屋

広河原山荘

広河原山荘

玄関から中をのぞくと
売店と食堂に人の気配はなかった

北沢峠でバス待ちの間に記入を済ませた
登山計画書をポストに入れたら

小屋の裏が登山口
4日間無事に歩けますように!

広河原_北岳登山口

序盤は樹林帯の尾根の登り

シラビソにオヒョウやカツラの樹
新緑のように明るい森

気温25℃
木陰は爽やかな森林浴
でも歩くとやっぱり暑い。。

北岳_登山道

この日のザックの重量は20kg

塩見岳のときと同じ中身のつもりが
何を欲張ったのか5kgほど重かった

これが歩き始めはいつも
むしろ軽く感じるから不思議

まるで風船でも入っているように

北岳_登山道

でも30分も経たないうちに
ごまかしは利かなくなってしまう

体重と合わせて90kg近い重量で
足の裏を磨り潰すように歩くので

摩擦熱でヒリヒリするような一歩一歩
これが何万歩と続くのだ

北岳_登山道

”ジーーーーーーーー”
セミが抑揚のない声で鳴き続けていた

この日は何故か猛烈に眠かった

意識が遠ざかって
立ったまま眠ってしまいそうなほど

遥か遠くに聞こえる沢の反響音も
催眠効果のように眠りを誘ってくる

”早くテントで昼寝したい”

御池小屋までの行程の初日は
これが最大のモチベーションだった

北岳_登山道

尾根の登りが緩やかになったら
水源地と記された沢だった

御池小屋の水は
ここから上げているとのこと

北岳_登山道_水場

吸水に集まっていたチョウを追いかけたら
塩見岳で教わったベニヒカゲだった

初めてチョウも探す山旅
今回は何種類見つけられるかな

北岳_登山道_ベニヒカゲ

水場のコケの鮮緑に目が覚めたのか
ここから不思議と眠気が消えた

振り仰げば樹々の間から
鳳凰三山

北岳_登山道_鳳凰三山

ちなみに向うから眺めると
こう見える

北岳_登山道_地図

もし5月にこの光景を見ていなかったら
CT通り肩の小屋を目指して間違いなく自滅していた、、

写真でも分かるように
水場から御池小屋までは、ほぼ平坦な道だ

北岳_登山道

白根御池小屋

13:20
御池小屋に到着

白根御池小屋

”お疲れ様でした”

疲れが吹き飛ぶような
爽やかな挨拶に迎えられた

テント泊の受付を済ませると
輪ゴムと緑のビニールテープで作った
テントタグを手渡された

改装したばかりなのか
どこかの研修施設のような
立派な小屋だった

御池小屋の水場は途中で通った
水源の水を引いているのでテント客も無料

洗面台の蛇口をひねれば
正真正銘の天然水が飲み放題!

白根御池小屋_水場

驚いたことに外トイレも沢水を使った水洗

換気扇やエアコンまでついて
朝晩の冷え込みにはオアシスだった。。

・・・

まだ早い時間にも関わらず
小屋の周辺は混雑していたので

湖畔に小さなマイホームを建てた

広大な庭付き南向き
ただし最寄りのバス停から徒歩3時間

白根御池小屋_テント場

御池は水深もなく
河童などの危険生物もいなさそうだし
夜中に寝ぼけて落ちても溺れることはなさそうだ

明方に羽虫が大発生してパニックはありえるので
一応よく観察してから・・

何より嬉しいのは北岳が少し見えること

夜は星空の天体観測だ

白根御池小屋_テン場

早めにテントに着いて昼寝の夢が・・
日当たりが良すぎてテントの中は灼熱。。

そのうち断熱仕様やエアコン機能付の
テントが登場・・・なんてないか

他のテントも事情は同じなので
周辺の住人と夕涼みをしながら

平和な時間が流れていった

・・・

先にテントを張っていた
M岡さん

世界の遺跡写真が趣味といい
貴重な話と特殊なカメラを見せてもらった

>素晴らしい写真ありがとうございました
>これからも楽しみにしてます!

・・・

広河原から同じペースで登り
顔見知りになったオッチャン

この先も一緒になり心強い仲間だった

・・・

新しいテントを買ったのに
登山口でザックに入らなかったと

そのテントよりカサ張りそうな
厚手のジャージのパジャマで

ガハハと漫画のように豪快に笑う
オッチャン

・・・

素敵な出会いにも恵まれたテン場だった

白根御池小屋_テント場

稜線に日が隠れるとみるみる気温が下がり始め
19時を回る頃にはテント内の気温も10℃を切った

連日の熱帯夜に晒された体は

暑さに強くなったというより
体温調節のセンサーが馬鹿になったようで。。

まさかと思っていた
ダウンを着てシュラフにくるまっても
体は温まらず、、

以前に何かの本で読んだ
ツボ押しを一人試してみた

合谷と足千里というツボ(参考せんねん灸)

これがウソのように効いて
体温が正常に戻ったのです

ちなみに
合谷のツボは高山病の症状にも
効果があるそうなので

ピンチのときにはお試しあれ!

・・・

この日は月がきれいで
月の入りは夜中過ぎだった

まだ明るい夜空に
天の川は薄っすらと・・・

白根御池小屋_テント場_星空

横着せずにテントから出れば
御池に映る星空が見られたそう

明日は早いので
流れ星を一つだけ見届けて就寝・・Zz

テント場_北岳_星空

明日はいよいよ
北岳山頂へ!

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  1. 2018/08/17(金) 13:58:53|
  2. 小旅
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タイヘー

Author:タイヘー
健康のために山を始めました
近所の六甲山から全国の名山まで
マイペースでも一歩づつ山頂へ
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