写真で綴る登山と旅のあれこれ

甲斐駒ヶ岳④

摩利支天

2017/9/9(土)

登れる気がしない。。

甲斐駒_登山_駒津峰

逆光シルエットだと
グレーの普通の岩の色

北アルプスと同じ色だ

けど昨日テン場から見た
あの白さはこんな色ではなかった

日の当たる角度によって
同じ白でも色が変わるのかな

下山する時刻には
また違った色に見えるかも

甲斐駒_登山

道端で暑い暑いと喘ぐ
オッチャンを横目に

伊那側からの爽やかな風に
すっかり汗は引いていた

甲斐駒_登山

狭い岩場は団体が通過すると
渋滞することもあるとか

この時間まだ始発バスの登山者は
やってきていないので空いていた
前泊者の特権だ

甲斐駒_登山

大岩が立ち並ぶ
六方石へ

甲斐駒_登山_六方石

実はこの日

コースの下調べは
殆どしていなかった

人気の百名山だし
誰かについていけばいいかと。。

なのでこんなところで
分岐があることも知らなかった

直登ルートと巻道ルート

甲斐駒_登山_分岐

私の地図によると
直登ルートは破線ルート

巻道しようか迷っていたら

傍にいた男性が
「直登ルートも実線ルートですよ」

私と同じ山と高原地図を見せてくれた

甲斐駒_登山

よく見たら
私の地図は2009年度版。。

仙丈に登ったときのものだった

男性も直登ルートを行くというので
一緒に歩かせてもらうことに

ところが・・

甲斐駒_登山_直登ルート

いきなり高度感のある岩場

しかも普通ならありそうな
ロープもハシゴもなく

ホールドも少ないので
岩の表面の心細い凹凸に
全体重を載せて体を引き上げる

これの繰り返し

スリルのある岩場は想定外で
心の準備が追いつかず

まして久しぶりの登山靴
どこまで信頼してよいか掴めず
落ちない確信もない緊張の一歩

一瞬でも本気度のメモリが
振り切れました。。

登山でイチかバチかは禁物

こうならないようにだけは
気を付けているのに

反省。。

甲斐駒_登山_直登ルート

何かおかしいと思い

男性の地図をよくみると・・・

1998年版!?

私のより古いし。。

昔はメインルートだったのね・・

最近は登山人口の平均年齢も上がって
年々コースタイムも甘くなっているそうな

振り返ると後続の登山者は
列をなして巻道を進んでいた

時すでに遅し
戻る方がもっと怖い。。

もうこれ以上怖い場所
現れるなと祈りながら

甲斐駒_登山_直登ルート

最後はなりふり構わず
できるだけ楽な道を探しながら

甲斐駒_登山_直登

稜線へ

甲斐駒_登山_稜線

振り返って見ても
よくこんなところ登ってきたものだ。。

甲斐駒_登山_稜線

まだ油断はできず
ズルっといくとそのままズザザー・・・
といってしまいそうなザレた急斜面

甲斐駒_登山_白砂

転げ落ちないように
這いつくばって最後の登り

甲斐駒_登山_花崗岩

甲斐駒ヶ岳
登頂!

甲斐駒ヶ岳_登山_山頂

岩の鋭鋒という割に
山頂は広くてなだらか

甲斐駒_登山_山頂

小さな祠を中心に
360度の大展望

ゆっくり腰を下ろして
景色を楽しめました

甲斐駒_山頂_景色

甲斐、木曽、秋田、会津、魚沼・・

駒ヶ岳の名がつく山は
全国にも多数ありますが

甲斐駒はその最高峰

名馬(駒)の産地説や

高句麗の渡来人が住んだとされる
巨摩(こま)郡に因んだという説も

・・・

雲海に浮かぶ
摩利支天(まりしてん)

甲斐駒_登山_摩利支天

甲斐駒は
古くから信仰の山だった

山頂に祀られているのは
大己貴命(オオナムチ)

出雲の国譲り神話の
大国主の若い頃の別名だ

北沢峠までバスが開通する前は
山梨側の麓の神社から登る
黒戸尾根が主ルートだったそうで

麓から標高差2500mを
一気に突き上げる登山道には

今も修験のモニュメントが
多数残っているそう

甲斐駒_登山_摩利支天

・・・

でっかくなだらかな山が多い
南アルプス

甲斐駒_登山_南アルプス

その成り立ちは
太古の昔

遥か太平洋沖で
生まれた火山島が

プレートの移動に乗って
日本列島に次々と衝突した

年に数cmという速度でも
百万年なら数十kmにも及ぶ大移動

そのとき海底の堆積物が
押し上げられて出来たのが

南アルプスなのだとか

甲斐駒_登山_南アルプス

一方で海底に
沈み込んだプレートは

一定の深さに達すると
地熱の高温高圧で
ドロドロのマグマに変わり

地上に噴き上がったのが
少し内陸のこの場所だった

甲斐駒_登山_火山

ゆっくりゆっくりと
マグマが冷えて固まった
結晶の大きな花崗岩

周囲の地層より軽いため
浮かび上がるように隆起して

生まれたのが甲斐駒だった

という長い長いお話

甲斐駒_登山_花崗岩

山と海
正反対に思える場所が
実は密接につながってました

甲斐駒_登山_誕生

・・・

下りは間違っても
直登ルートに入り込まないように。。

摩利支天に寄って帰ります

甲斐駒_登山_摩利支天

危険個所もなく
分岐から片道10分ほど

甲斐駒_登山_摩利支天

みんな北沢峠の
バスの時刻を気にしてるのか
寄り道する人は少なかった

甲斐駒_登山_摩利支天

すれ違うにもやや狭い道

三脚ごと大きなカメラを担ぎ
一見して頑固一徹なコワ面の
オッチャンが前からやってきて

ベストショットを見せてやると
カメラを操作し始めた

甲斐駒_登山_摩利支天

摩利支天の山頂で
はしゃぐオッチャンが写っていた

「今年は梅雨明け十日もなかった」

秋や春の晴れは移動性高気圧の晴れ
よくもって3日

それに対して夏の晴れは

太平洋高気圧が日本をスッポリ覆って
1週間以上晴れることも珍しくなかった

思わず長期縦走に出かけたくなる

そんな好天がここ数年あっただろうか

久しぶりの晴れですね

この合言葉で何時間でも
話せそうだった

・・・

摩利支天

甲斐駒_登山_摩利支天

太陽の威光、陽炎(かげろう)を
神格化した修験用語だそうな

戦で弓矢に当たらないという
願いを込めて

甲斐の武田信玄を始め
多くの武士に信仰されたそう

そのご利益なのか
久しぶりにブロッケンも見た
うっすらと・・

甲斐駒_登山_ブロッケン

目前には
東側が豪快に切れ落ちた
甲斐駒の横顔

甲斐駒_登山

沸き上がる雲海

渡りの往路なのか復路なのか
アサギマダラがひらひらと
舞い上がっていった

甲斐駒_登山

・・・

南アルプスの山が黒っぽく見えるのは

稜線付近まで植生が豊かだから

甲斐駒_登山_南アルプス稜線

堆積岩の細かい砂礫の土壌に
草花が根付きやすく

北アルプスよりは雪融けが早く

大きな樹木が侵入できない程度に
積雪量は多い

絶妙な条件によって
生まれた高山植物の大草原は

南アルプスの魅力の一つ

私はその核心部をまだ知らない

甲斐駒_登山_南アルプス

気候の変化、火山、クマの増加
体力の衰え、仕事の都合・・

初めて登った
北アルプスの山小屋で

ベテランの登山者に
まだこれから登りたい山に
いくらでも登れていいね

と言われた意味がよく分かる

行きたい山と行ける山

山を続ければ続けるほど
ギャップが広がっていくようだ

山は逃げないとよく言うけれど
真ではないこともあると思う

残していたフロンティア
南アルプス

来年こそ

これで一体
何年越しになるのやら。。

・・・

日が高くなるにつれて
山が白さを増してきた

甲斐駒_登山_白砂

O野さんが
残雪期に登るのはもったいないと
話していた意味が分かりました

甲斐駒_登山_白砂

下山ルートへ

甲斐駒_登山

巻道ルートは樹林帯の道
滑落するような危険個所はありませんが

甲斐駒_登山_樹林帯

段差の大きな岩場に
クサリやロープがなく

乗り越えられず立往生する人に
膝を貸して押し上げる場面も

甲斐駒_登山

双児山を経て北沢峠へ下る尾根道

鋸岳へ縦走する人にも何組か出会った

縦走装備なのに
私の日帰り荷物よりコンパクト

緊張感が伝わってきた

甲斐駒_登山

最後に振り返って甲斐駒
灰色だった朝とは別の山みたいだ

甲斐駒_登山

「山頂が見えているうちは遭難しない」

山に限らないことかもしれませんが

遭難せず次の山へつなげるためには
しっかり下山すること

レポはそのための作業でもあります

甲斐駒_登山

・・・

長い樹林帯の下り

右足の薬指の第一関節の甲

今までなったことのない場所に
靴擦れができた

甲斐駒_登山

下山すると
北沢峠のバス停だった

12:00ちょうど
やった13時に間に合った

と思ったら

目の前でバスが出て行った

時計が遅れていることも
すっかり忘れていた。。

長い一日だった

・・・

テン場に戻ってみると
足の踏み場もなくなっていた

甲斐駒_登山_北沢峠

今日は土曜日
明日も晴れの予報

一体どこに吸収されるのかというほど
続々と登山者がやってきていた

3時起きだった割に目が冴えて
テントの中は昼寝するには暑すぎた

一等地の二人用テントスペースを
休む間もなく素早く撤収

甲斐駒_登山_北沢峠

14:10 北沢峠
満員の臨時増便バスで帰ったのでした

~おわり~

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  1. 2017/09/09(土) 22:07:36|
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